粉体輸送システム

 

輸送システムは 圧力式貯蔵タンク(以後「タンク」と称します)、 コンプレッサーユニット、弁類、操作スタンド(遠隔操作の要求ある場合)及び 各機器の安全装置から構成されております。

 

.タンク

圧力式タンクは、それぞれ円筒の形状を有し、縦型及び横型の2種類があります。

 

 これらのタンクから粉体を排出するためには、まず粉体に流動性を持たせる必要があり、 このためにタンクの底部に通気装置として、エヤースライド、エヤージェット、又は その他の形状の空気装置が使われます。多量の空気が乾燥粉体の中に導かれると粉体は、 空気-粉体-空気-粉体という層状態(空気体の上に粉体が乗るような状態)いわゆる 流動体の特性のいくつかを持つ状態になります。(実際にはさらに流動性は悪い) そしてタンク内において空気と粉体のバランスするレベルを形成し始め、タンク内で 中央部の最も低い部分に流れようとします。

 

この様な流動化された状態にある粉体は 圧力下のもので、タンクのいかなる開口部(特に排出口を設ける)をも通じて、 その状態化に応じた距離に流出します。しかし粉体の濃度、タンク内の圧力及び空気量、 管径、管の曲がり等の多数の要因に依り、輸送距離及び輸送能力は非常に影響を受けます。

 

タンク内部を設計する上においては、排出後の残量を出来るだけ少なくするため、 タンク内のすべての粉体が排出される部分、すなわち中央部に粉体が集まるようにしなければなならい。

 

この目的のためにUNISLIP社の縦型及び横型タンクにおいては、スロープシート及び エヤースライド又はエヤージェットノズルが装備されています。

 

その上、これらのタンクの装置は下記の順序通り比較的簡単です。

空気入口弁を除き、すべての弁が閉鎖された状態で、コンプレッサーユニットが運転されます。

 

空気は空気装置を通して、タンク内に導かれ、タンク内の圧力は通常の操作圧力まで上昇します。 この時点において、ディスチャージラインに接続されているパージ空気弁及び排出弁を全開します。

 

その後、タンク内圧力を運転圧力に保持する様にパージ空気弁の開度調整を手動又は自動にて行う。 この時、コンプレッサーは常にロード・コンディション(負荷状態)で運転されています。

 

タンク内圧力はディスチャージラインを流れる粉体の抵抗や量によって維持され、 タンク内の粉体は空気装置部の排出点に向かって流れ、タンク内上部で新たなレベルを保持します。 このレベルが排出口まで下がってきた時、タンクは空となります。

 

同時点に圧力は約 0.3 kg/cm2に直ちに下降しますので空であることを判断します。 排出完了時には、タンク内の残粉物の完全排出及びラインの掃除を含めてオペレーターは再度上述の手順を繰り返します。

この時は1.01.5 kg/cm2の圧力上昇だけで充分掃除できます。

 

 

.コンプレッサーユニット

ユニットは下記の機器類にて構成され、粉体輸送に悪影響を与える水分及び油分をできるだけ 含んでいない清浄な空気を粉体吐出量に応じて、必要量を供給しております。

 

(1)圧縮機本体(補機又は電動モーター駆動方式)

(2)空気冷却器

(3)水分及び油分分離器(メインラインフィルター)

(4)アンローダー装置及び安全装置

 

圧縮機はスクリュー型で構造は至って簡単です。

スクリュー内に油と空気が吸入され、圧縮された空気は 油と共に排出し、油分離タンクにて空気-油とが完全に分離されます。この様な油冷却方式であるため、 充分な循環混合油量と冷却通路及び有効なパイピングが行われておりますから、長時間運転でも オーバーヒートすることなく、安定した性能を発揮します。

 

吸気口に取付けられたエヤーフィルターは、空気中のゴミを除去すると共に、 吸気音を低くするサイレンサーも兼ね、ケーシング入口との間にはアンローダー装置が 取り付けられています。空気は高回転のスクリューにてエヤーフィルターからアンローダー弁を通って ケーシング内に吸引され、噴入潤滑油と共に圧縮されて油分離タンクに導かれ、油と空気は分離されます。 分離された空気は別置き又は内蔵された空気冷却器へ送られます。

 

空気冷却器の内部は他からの冷却水によって冷却され、空気は内部の多数の細管を通過します。

 従って、空気は露点に達し、多量のドレンを発生します。空気冷却によって除湿冷却された空気は、 次に油水ろ過器(メインラインフィルター)に導かれます。油水ろ過器内には3μのフィルターが装備され、 空気はフィルターを通過する時に再び油分及び水分が完全に分離され、 油分のない乾燥した状態で各タンクに導かれます。

 

圧縮機内圧力が 7.0 kg/cm2になれば、圧力調整器(アンローダー・シリンダー)が 働いて、圧力空気が吸引管に設備された吸入弁閉鎖型アンローダーに流れ、アンローダーが作用して、 コンプレッサーの吸入弁を閉鎖し、アンロード状態にします。 (コンプレッサーが運転されていても空気は吐出しない状態)

圧縮機内圧が 6.0 kg/cm2になれば、圧力調整器が再び働いて、 アンローダーを働かせていた圧力空気は大気に放出され、吸入弁は作動を始めて 負荷状態(ロード状態)となり圧縮を始めます。この間、コンプレッサーは一定回転で 回り続けます。尚、圧縮機内からタンクに導かれる空気は途中の圧力調整弁にてタンクの運転圧力に保持されております。

 

 

3.安全装置

本装置の安全を期すため、次の保護装置が組み込まれています。

 

(1)油温スイッチ

コンプレッサー運転中、潤滑油の温度が85℃以上に上昇すると自動的に運転停止します。

 

(2)LOAD-UNLOAD 装置

使用圧力内(セット圧力)にて自動的にコンプレッサーの負荷の発停をします。(電動機駆動の場合は負荷の大小に関わらず 一定回転で運転されますが、補機駆動の場合は、負荷時-セット値最大回転及び無負荷時-セット値最小回転と、 負荷の有無により変動します。)

 

(3)安全弁

コンプレッサーユニット内及びタンクに至るパイプ内にて異常圧力( 8.0 kg/cm2以上)が生じた場合、 余分な空気を大気に放出します。

 

(4)吐出空気異常検出スイッチ

コンプレッサーケーシング出口及び油分離タンク出口の空気温度が110℃以上に異常上昇すると自動的に運転停止します。